毎日鏡を見ていてもそれほど気にならないのに、少し前の写真を見た途端に老化を感じるという経験、みなさんもお持ちかもしれません。
人間の体を構成する臓器や粘膜は、機械と同じ。年月とともに老化していく運命は避けられません。しかし機械へメンテナンスが、その機能や外観の保持を可能にするのと同様に、人間の体も毎日食べるものによって若さを保つことは不可能ではないのです。このように、老化への流れを緩やかにすることを、アンチエイジングといいます。
今日は、アンチエイジングの一助となる食べ物や料理について、詳しくご説明いたします。
あなたの回復力を目覚めさせる
安心&安全な旬のオーガニック食材を最大限に活かし、食べて心も体も中からキレイになるために、オーガニック・マクロビ料理教室G-veggieでは日本の伝統食「マクロビオティック」に基づいた、季節の料理法や味付けで料理する方法やバランスを上手に取る食べ方や暮らし方をお教えしています。
そもそも老化の原因とは
そもそも、老化とはなにが原因で起こるのでしょうか?
美容面でばかり気になる老化、実は生物のさまざまな機能が経年によって次第に低下していく現象の一部なのです。(※2)
体内の臓器の萎縮や色素の沈着など、さまざまな現象を伴う老化、まずはその主な原因を説明いたします。
・酸化
近年よく耳にする言葉に「抗酸化作用」というものがあります。これはまさに、老化の原因となる酸化を抑制する作用を指しています。
私たちが暮らす地球の大気には、酸素が含まれています。私たちはこの酸素を吸収して生きていることは、誰もが知っていることです。
酸素は人間の体内で活性酸素という物質になり、免疫機能の維持や細胞伝達など重要な役割を果たします。いっぽうで、紫外線や大気汚染などのストレスにさらされると、活性酸素は過剰に産生され、結果、細胞を傷つけて病気の原因となったり老化に拍車をかけたりするのです。(※3)
これが、酸化による老化現象のからくりです。美容の世界では、「サビつき」という呼び方で表現したりします。
・糖化
空気中の酸素を体内に取り込んで、さまざまな機能を維持する活性酸素。
これは、たくさんあればよいというものではないことは、上述したとおりです。
何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し。
過剰に産生された活性酸素は老化や劣化の原因となるため、これを防ぐために「抗酸化」の作用を持つ物質がセットになって体内には存在しているのです。
ところが、体内の抗酸化作用を妨げてしまうものがあるのです。それが「糖化」です。(※5)
糖化は、タンパク質が糖と結合し変性する現象を指しますが、抗酸化作用を妨げるだけではなく、皮膚の中で糖化すると肌をくすませてしまう現象をもたらすことも判明しています。(※6)
つまり、酸化はサビつきにたとえられ、抗酸化物質はサビ止め、糖化はそのサビ止めを破壊してしまうもの、といったイメージになります。
・遺伝子上の原因
老化の原因には、遺伝子に由来する要素もあります。
DNAは紫外線や薬剤などにより損傷されると、正常に戻ることなく定着してしまうものも存在します。こうした損傷DNAが蓄積されることによって、細胞や全身の老化が引き起こされるという説があるのです。(※7)
一説には、老化そのものを促進させる遺伝子があるともいわれていますが、現在までの研究では、老化促進遺伝子そのものは発見されていません。(※7)
つまり、外的要因によって損傷を受けたDNAが、老化の原因になってしまうわけです。
・臓器の経年劣化
個々の相違があるとはいえ、生物の臓器は年数を経ると劣化していきます。
たとえばコラーゲンをつかさどる結合組織は、体内の種々の臓器の経年劣化により、その働きを鈍くしてしまいます。(※7)
女性が気になる外観の老化も、体内におけるさまざまな臓器の老化相互作用によって加速してしまう、というのが悲しい現実なのです。(※7)
アンチエイジングの効果がある食べ物・料理はあるの?
老化の仕組みがわかったところで、それを抑制する食べ物のお話に移りたいと思います。
ずばり、アンチエイジングの効能を持つ食べ物はあるのでしょうか?
実はあるのです!
厚生労働省のサイトには、抗酸化の機能を持つビタミンは確かに存在する、とあります。(※8)
βカロテンとなって食材に存在するビタミンA,抗酸化作用が強いといわれるビタミンE、コラーゲンと関連するビタミンCなどが、それに該当します。(※9)
また近年よく耳にするポリフェノールという物質も、悪玉コレステロールの酸化を防ぐなど、強い抗酸化作用を有しています。(※10)
また老化現象は、こうした直接的な栄養によってのみ防げるものではありません。副次的な役割を担う栄養もともに摂取することで、抗酸化作用をもつ栄養も本来の働きを発揮してくれるのです。
こうした条件に該当する食物には、どんなものがあるのでしょうか?
・果物
果物は美容と健康によい、という漠然としたイメージをお持ちの方も多いでしょう。
老化の仕組みを熟知すれば、その理由は明確です。
皮膚や骨の健康と若さを保つために重要な役割を果たす栄養素に、コラーゲンがあげられます。
このコラーゲンの構成に不可欠のビタミン、それがビタミンCなのです。(※11)
また、抗酸化作用強いビタミンEとポリフェノールをもつ果物を探してみると、
キウイフルーツ(ビタミンC・E)
桃やサクランボなどの核果類(ポリフェノール・ビタミンE)
りんご(ビタミンC・ポリフェノール)
ぶどう(ポリフェノール)
などがあげられます。(※12)
いずれも美味しい果物の数々、ぜひ意識して食べてみてください。
ただし果物はマクロビオティックの陰陽五行では、身体を冷やしゆるめる強い力のある「極陰性の食べ物」ですので、朝ご飯の代わりに食べると冷え性になります。
果物は体温の高い昼間の食後にいただくのが、ベストタイミングだということを、覚えておいてくださいね。
・野菜
野菜もまた、果物と並んでアンチエイジングの条件を揃えたものが多いのが特徴です。
そのいくつかの例を挙げると、以下のようなものがあります。
赤ピーマン(βカロテン・ビタミンC)(※13)
ブロッコリー(βカロテン・ビタミンC)(※14)
トマト(βカロテン・ビタミンC)(※15)
とくにトマトの赤色の原因となっているリコピンは、シミの原因となるメラニンを促進する活性酸素を除去する働きがあり、強い抗酸化作用を持つことで知られています。(※16)
こうした野菜以外にも、旬の野菜を率先して取り入れたいものです。
《おすすめの旬の野菜》
春 … 菜の花・セロリ・長ネギ・カイワレ大根・豆苗・クレソン
夏 … トマト・ズッキーニ・茄子・とうもろこし・枝豆・きゅうり・大葉・レタス
晩夏… キャベツ・玉ねぎ・蕪・かぼちゃ・ブロッコリー
秋 … 大根・人参・蓮根
冬 … 白菜・ごぼう・山芋・自然薯・乾燥野菜
・ナッツ類
最近はスーパーフードとしてダイエットにも活用されることが多いナッツ類。
ナッツ類には、抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンEが豊富に含まれています。
代表的なナッツであるアーモンド、くるみ、カシューナッツなどには、アンチエイジングの要素が多く、適量を摂取することで老化防止につながる可能性が高くなるのです。(※17)
特にクルミは形が脳に似ているので、マクロビオティックでは、脳を活性化する「健脳食」と言われています。
栄養学的にも、くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、血液をサラサラにして動脈硬化を予防します。その結果、血流が良くなり、脳に必要な糖や酸素をしっかり運べるようになるため、脳の機能が良くなると言われています。
・豆類
豆類のタンパク質もまた、老化を防ぐ一要素となります。なぜならタンパク質は、人体が生命を維持するうえで最も重要な栄養素であり、肌や髪などの構成要素には必須であるためです。(※18)
老化を防ぐというよりも、より健康的な皮膚や臓器を保持するために、豆類から質のよいタンパク質を摂取しましょう。
特におすすめは大豆白いんげん豆!!
大豆にはビタミンEや植物性タンパク質、イソフラボンなどのアンチエイジングに役立つ栄養素が豊富に含まれています。 ビタミンEは、血行を促進し、新陳代謝を活発化させる作用があり、肌のターンオーバーを正常に近づける働きがあるとされています。
また、白いんげん豆はビタミンB群(チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸など)、マグネシウム、鉄、銅、カルシウム、リン、カリウムなどが豊富に含まれています。加えてカテキンなどのポリフェノールも多く含まれおり、高い抗酸化力が期待できるアンチエイジングにピッタリな食材です。
・きのこ・海藻類
きのこ類と海藻類に共通しているもの、それがミネラルという栄養を持っている点です。
ミネラルは老化防止に直接的に働きかけるものではありませんが、タンパク質をはじめとする栄養と結合して生体構成成分となることが多い、という特徴があります。
また、血液や体液の調節を行う働きもあり、ぜひ意識して摂取したい栄養です。(※19)
特におすすめは原木(げんぼく)栽培の椎茸。
原木栽培は、原木に穴をあけて種菌を打ち込み、一年間、林間地など自然環境下において菌を育ててきのこを栽培する方法で、自然栽培とも呼ばれています。
原木栽培の椎茸は、密に詰まったプリプリで肉厚の歯ごたえがあり、濃厚な森の香りが漂う椎茸本来の味が楽しめます。
アンチエイジング効果が期待できる飲み物
次は、アンチエイジングの効果が期待できる飲み物をご紹介いたします。
飲み物のメリットは、咀嚼する必要もなく摂取できる点にあります。食欲がない場合も活用できるのがありがたいもの。
水分補給の重要性が叫ばれる昨今、こうした飲み物もぜひ日常的に摂取してみてください。
・赤ワイン
長寿との関係が指摘されている赤ワイン。(※20)
この関連性は、サイエンスの分野でも実証されています。1994年に行われた研究では、赤ワインを毎日適量摂取することによって、悪玉コレステロールを抑制する働きが認められました。(※21)赤ワインに含まれるポリフェノールが、体内で酸化を防ぐためといわれています。(※21)
・緑茶・抹茶
緑茶や抹茶の渋みの原因といわれるカテキン。
カテキンにも、強い抗酸化作用があります。(※22)緑茶のカテキンにはさらに、抗ウィルスや抗菌作用も認められていて、老化防止以外の余得にあずかれそうです。(※22)
また、渋味のもとになる成分はポリフェノールであるタンニンです。
これらは抗酸化作用や抗がん作用、殺菌作用などさまざまな効用があり、病気を予防してくれます。血中のコレステロール値を下げる作用があり、動脈硬化、高血圧、心臓疾患、脳血管障害の予防や、脂肪を分解してエネルギーに変える働きもあるので、肥満の予防などにも効果を発揮します。
そして何よりも、食事のあとに渋いお茶を飲むと、食欲がコントロールされるので、過食を防ぐことができます。
ダイエット中の方は、もう少し食べたいな~」と思ったら緑茶や抹茶を飲んで、甘い物の誘惑を断ち切ってみてください。
・デトックスウォーター
体内に蓄積した老廃物や有害な物質を排泄することを目的にしたデトックスウォーター。(※23)
デトックスウォーターは、水溶性ビタミンも失わずに摂取できるのが最大のメリット。水溶性ビタミンの代表格ビタミンCは(※24)老化防止には必須の栄養であることから、ぜひさまざまな果物でデトックスウォーターを作り、飲用してみてください。
・豆乳
大豆を原料とする豆乳は、良質なタンパク質の宝庫です。
豆乳を飲むことで摂取できるタンパク質は、コラーゲンの合成に必要な重要要素。(※25)さまざまな形で、豆乳を摂取すると効果が期待できます。
老化を防止する為の食事のポイント
老化を防止する栄養を含んだ食材も、それを生かせる調理法で食べなければ、効果も期待できません。
栄養を損なわずに食べ物を体内に取り入れるには、どんなコツがあるのでしょうか。
次の5つのポイントを参考にしてみてください。
1.食材の効果が発揮できる調理方法で
食材に含まれる栄養には、さまざまな性質があります。
たとえばビタミンBやビタミンCは水溶性ですから、スープやジュースなどにすると効率よく摂取できます。
ビタミンAやビタミンDは脂溶性であるため、油で炒めたりオリーブオイルと絡めるとよいかもしれません。
一般的に、野菜は蒸し野菜にすると栄養が保持しやすいといわれていますが、摂取したい栄養の性質を熟知すると調理もしやすいでしょう。(※26)
2.糖質は控えめの料理を
既述したように、糖質を過剰に摂りすぎると体内で糖化という現象が起きます。
糖化は抗酸化作用を妨げてしまうため、食事においても糖質は摂り過ぎない用心が必要です。
砂糖だけではなく、ご飯やパンなどの炭水化物も糖質です。白米や精白小麦でできたパンを主食にしている方は、その量にも注意しましょう。(※5)
3.食べる順番・量に注意する
いくら体に良いものといっても、過剰に食べることは逆効果になってしまいます。
常識を逸脱しない量を食べるのが、最も効果的であることを覚えておきましょう。
また、食べる順番も栄養吸収に影響を与えます。
たとえば、最初に食物繊維を含む野菜を食べることによって、そのあとに食べる糖質の吸収をコントロールできるのです。食物繊維の次には、生命維持に必須のタンパク質、最後にエネルギーとなる炭水化物の順番で食べてみてください。
自然と、食べる量も調整できるかもしれません。(※27)
4.よく噛んで食べる
厚生省によると、早食いは肥満の原因のひとつであると報告されています。
それだけではありません。
早食いによって、ビタミンやミネラルの摂取量が低くなってしまうのだそうです。
老化防止のための栄養素も、ゆっくりと噛んで吸収するように努めましょう。
5.バランスよく食べる
スーパーフードと称される栄養面でのメリットが多い食べ物も、それだけに固執して食べても、効果は期待できないことが多いのをご存じですか?
老化防止の効能を持つ食べ物も、例外ではありません。
さまざま栄養素は、相互作用によってその効果を発揮することが多いため、栄養のバランスをよく考慮し、食事をすることが最も重要なことなのです。(※29)
まとめ
人間の臓器や器官は、年数とともに老化していくことは自然の理です。
老化の要因は、ひとつではありません。
細胞や遺伝子など、さまざまな要素が絡み合い、老化を促進してしまうケースもあります。
しかし老化の速度を緩めるための、健康的な食生活を送ることは可能なのです。
食材の中には、アンチエイジングのために体内で仕事をしてくれる栄養を持つものが少なくありません。
日々の食生活に抗酸化作用を持つ食物を上手に取り入れて、老化への流れを緩やかにしてあげましょう。
「アンチエイジング料理」とは、年を重ねるごとに徐々に表れてくる様々な心と体の老化現象を、上質な食材を使ったバランスのとれた料理によって、ゆるやかに遅らせていくことを目的に開発された「究極の美容食」老化を早める原因といわれている、体内の「酸化」「糖化」「水毒化」を徹底的に排除することで、美味しく食べながら「見た目年齢をマイナス10歳」を目指します!
修了後は、認定書を発行いたしますので、アンチエイジング料理プランナーとして、活躍いただけます。
オーガニック・マクロビ料理教室G-veggie
G-veggieはGrain(穀物)とVeggie(野菜)を合わせた造語で、人間にとって大切な2つの食べ物を、料理の中心にして自然に寄りそった生活をしていきたいという意味を込めました。
自然の生命エネルギーあふれる「オーガニック食材」と、日本の伝統的な健康食の集大成である「マクロビオティック」は、身体だけでなく心も健康になれる料理法です。
バランスの良いオーガニック・マクロビ料理を実践して、美味しく食べて身体の中から健康でキレイになりましょう。
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参照元
※1.小学館日本大百科全書「老化」
※2.集英社情報・知識imidas「老化(生物)」
※3.平凡社世界大百科事典「老化」
※6.集英社情報・知識imidas「糖化」
※7.小学館日本大百科全書「老化」
※9.小学館日本大百科全書「ビタミン」
※10.集英社情報・知識imidas「ポリフェノール」
※11.厚生労働省「コラーゲン」
※16.小学館日本大百科全書(リコピン)
※17.トヨタ生活協同組合「ナッツ」
※18.厚生労働省「たんぱく質」
※19.平凡社世界大百科事典「ミネラル」
※21.厚生労働省「ワインと健康」
※23.小学館日本大百科全書「デトックス」
※24.小学館デジタル大辞泉「水溶性ビタミン」
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