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食品添加物の影響とは?健康を守るために知っておくべきこと


食品添加物を表示した画像

食品添加物という言葉は、日常生活の中でもよく耳にしますが、実際に食品添加物は何かと問われたら、概念が曖昧で明確には答えられない方のほうが多いかもしれません。


食品を買ったとき、原材料が記されたラベルを見てみましょう。そこには多くの食品添加物の名前があります。


食品添加物とはいったい何なのでしょうか?

私たちの健康にどのような影響を与えるかも含めて、今日は食品添加物について解説します。




食品添加物の定義&使用される理由は?


まずは、食品添加物の定義についてみていきましょう。

なぜ食品添加物は使用されているのか?その理由も解説いたします。



食品添加物の定義

食品添加物の定義は、厚生労働省のサイトを参照すると次のようになります。(※1)


「食品の製造過程において、保存や加工などの目的で使用する化学物質」


つまり、食品を製品化するにあたって使用される特定の物質を指すわけです。



食品添加物はどうやって普及してきたの?

加工や保存のために使用されると定義づけられている食品添加物。

具体的にはどんな理由でここまで広く普及したのでしょうか?


そこには、人間と食の歴史が関係しています。(※2)

保存の技術が存在しなかった時代、人間は多くの食材を手にしても腐らせてしまうことが常でした。

こうしたことから、食材の保存のための塩漬けや燻製という技術が生まれました。

食物の保存が可能になることで、人間の寿命は飛躍的に伸びたといわれています。


18世紀後半に産業革命が興ると、都市に集中した人々に農村から食材を輸送するようになります。また人口も増加した近代の社会は、大量の食材を確保する必要に迫られたのです。


こうして生まれたのが、加工や保存のための食品添加物でした。

特に第2次世界大戦後は、スーパーマーケットをはじめとする大量販売方式が広がり、加工食品の普及に拍車をかけました。(※2)


現在私たちが食する食品の多くに食品添加物が加えられているのには、このような経緯があるわけです。


食品添加物表示


食品添加物の種類


食品の多くに含まれている食品添加物。実はその種類はびっくりするほど多いのです。

食品添加物の種類と特徴について、簡単にご説明いたします。



食品添加物の数

ところで食品添加物とはどのくらいあるのでしょうか。

2020年の厚生労働省の発表によれば、食品添加物の数はこちらになります。(※3)


  • 指定添加物 466品目

  • 既存添加物 357品目

  • 天然香料 約600品目

  • 一般飲食物添加物 約100品目


つまりざっと見ても、1500品目以上の食品添加物が存在するのです。これは少し怖い数字ですね。



食品添加物、カテゴリー別の特徴

食品添加物は大別すると、以下のように分けられます。(※2)


・食品の保存性に使用するもの

食品に寄生する微生物による腐敗を防ぐためのソルビン酸や、合成保存料の安息香酸、殺菌目的の次亜塩素酸、酸化防止剤などがこれにあたります。


・栄養を強化するもの

食品によっては各種のビタミンやアミノ酸、カルシウム塩が加えられています。これらも食品添加物に指定されています。


・食品の品質を改善するために使用するもの

パンに使用される臭素酸カリウムや膨張剤となるミョウバン、アイスクリームの糊料となっているグリコール酸ナトリウム、保水性のために活用する重合リン酸塩などが代表格です。


・食品の嗜好性向上のために使用するもの

食品の見た目をよくする各種着色料、色を白くする漂白剤、加工肉によく使われる発色剤、香りを与える食品香料、甘みを強める甘味料などがこのカテゴリーになります。



食品添加物の主な種類

食品添加物にはこんな役割まであったのかと驚かれたかもしれません。

1500種類もある食品添加物、すべてを説明するのは不可能ですが、使用頻度が高いものをいくつかご紹介しましょう。(※4)


・甘味料

甘味を増すための食品添加物には、化学合成品と天然物があります。

化学合成品はサッカリン、ソルビトール、アスパルデームなどなど。

天然物はステビアや甘草の抽出物があります。


・着色料

食品に色を付ける着色料も、化学合成品と天然物があります。

化学合成品はタール系色素、クロロフィリンナトリウムなど。

天然物はカラメルやウコン、赤キャベツの色素があげられます。


・保存料

食品をより長く保存するために使われています。

ソルビン酸やカリウム塩、安息香酸がよく知られていますが、ペクチン分解物などの天然物もあります。


・酸化防止剤

脂溶性ビタミン(A・D)や脂肪分が多い食品は酸化しやすい傾向があります。酸化が進むと食品の質が低下するため、これを防ぐために酸化防止剤が使用されます。

アスコルビン酸、エリソルビン酸のほか、セサモールやお茶の抽出物も使われています。


・糊料

食品になめらかさや粘性を与えるのが糊料です。

アイスクリームやドレッシング、ソースやジャムやゼリーに含まれていることが多い糊料、アルギン酸塩類、メチルセルロースやペクチンが有名です。


・発色剤

ハムやソーセージ、イクラやタラコなど、加工肉や海産物にも使用されることが多いのが発色剤です。

加工色をよりきれいに見せて、色を安定させることを目的としています。加熱による褐変を防ぐことも発色剤を使用する理由のひとつ。

亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの3種類があります。


・漂白剤

漂泊の目的で使用される漂白剤は、豆類や野菜への使用が禁止されていることが多い食品添加物です。

海老のむき身、ゼラチン、乾燥果実、かんぴょうなどに使用されています。

亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウムが漂白剤として使われます。


・香料

食品に香りをつけるだけではなく、不快な臭い対策としても使われるのが香料です。

水溶性のエッセンス、エッセンスをオイルに溶かした油性香料、乳化剤を用いた乳化香料、パウダー状にした粉末香料などがあります。


・調味料

食品の味を濃くしたり旨みを与えるために使われる調味料。

L-グルタミン酸、5'-イノシン酸ナトリウム、5'-グアニル酸ナトリウムなどの化学合成品のほか、タウリンやアスパラギンなどの天然物が使用されるケースもあります。


あなたは何を食べているか知っている?

食品添加物の安全性


1500種類以上もある食品添加物。すべてを把握するのはとても無理です。

代表的な食品添加物をご紹介しましたが、使用される薬品名を見るだけで不安になるのも当然かもしれません。

食品添加物の安全性は盤石なのでしょうか。



食品添加物の使用は各国が制限をしている!

食品の保存やビジュアル向上のために使われる数々の食品添加物。

実は世界各国では、むやみに食品添加物を多用しないよう、法規を作っているのです。(※2)

各国で食品添加物のリストには相違がありますが、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)は合同の委員会を作り、インターナショナルに通用する規格や使用基準の作成に努めています。(※4)

食品添加物を過剰に摂取することは安全性に不安があるということが、このあたりの事情からわかりますね。



食品添加物は安全じゃないの?

食品を購入したらラベルを見てみましょう。大半の食品に、なんらかの食品添加物が含まれているのがわかります。

ということはほぼ毎日、私たちは食品添加物を摂取していることになります。


急性の毒性がないことはもちろんですが、長期の摂取による発がん性などの害、アレルギーの発症などが発症しないように、食品添加物は安全でなくてはいけません。


厚生労働省は、認可している食品添加物については「安全性に問題なし」としています。(※3)

食品添加物の指定には、一般毒性試験や発がん性試験、抗原性試験、変異原性試験などが実施されています。しかしこれは、動物を対象に行われる実験なのです。

動物を対象に各試験の安全性が確保されても、人間の体内でどのような変化を及ぼすのかは未知なのです。(※4・5)


また、これだけ食品添加物の数が増えると、個々の安全性が確立されていても不安が残ります。複合汚染の危険性があるうえ、毒性試験データが不足している食品添加物もあるのです。(※4)


食品添加物の多くは、栄養にはならない「異物」。体内で分解されない物質もあるといわれています。

過度の食品添加物に依存しないよう、日常的な食生活において注意する必要が叫ばれているのです。(※4・5)



具体的に食品の原材料を見てみると?

私たちは知らぬまに、大量の食品添加物を摂取していることがおわかりいただけたと思います

それでは具体的に、いくつかの食品のラベルを見てみましょう。

どんな食品にどんな食品添加物が加えられているのでしょうか。

それは私たちの健康にどのような影響を与えるのかも解説します。


ハム

食品添加物を含む代表的な食品といえば、加工肉があげられます。

子どもたちも大好きなハムですが、原材料のラベルを見ると「亜硝酸Na」という食品添加物を目にすることが多いかもしれません。


亜硝酸ナトリウムは、血色素の発色効果があるといわれています。

一方で、肉に含まれるアミンと反応すると、ニトロソアミンという物質に変化することがあります。(※6)

このニトロソアミン、実は非常に強い発がん性があることで知られています。(※7)

ハムなどの加工肉を選ぶ際には、多少色がくすんでいることがあっても、亜硝酸Naが含まれていないものを選ぶことをおすすめします。


乳製品

お子さんがいる家庭は、チーズなどの乳製品の使用頻度高いことでしょう。

チーズ類、とくにナチュラルチーズを加工して作られるプロセスチーズを買う場合は、乳化剤の有無に注意が必要です。

食品添加物として指定されている乳化剤25種類のうち、19種類にはリン酸塩系の化学薬品です。

リン酸塩は、多量摂取をすると血液中のカルシウム量が低下する可能性が高くなります。骨が脆くなってしまうことも考えられることから、カルシウム量が多いチーズを食べても元も子もないという状況になるわけです。(※5)

乳化剤や、チーズ以外にもさまざまな食品に含まれます。なるべく使用されていないものを選びましょう。


カップ麺

空腹時に気軽に食べることができるカップ麺ですが、この食品も大量の食品添加物が含まれていることが多いのが実情。

商品によっては15種類の添加物を同時に摂取することになるうえ、麺を油で揚げているカップ麺の場合は、身体にはあまりよく無い過酸化脂質を多く含みます。(※5)

ついつい手が出てしまうカップ麺ですが、どうしても食べたい場合はノンフライ麺や食品添加物が少ないものをチェックして選ぶようにしましょう。


飲料

缶コーヒーなどの飲料も、食品添加物が多く含まれます。

たとえばカロリーゼロをうたった甘味料アセスルファムK。(※8)

この甘味料は砂糖の200倍の甘さがありますが、動物実験では肝臓や免疫へのダメージが懸念される結果が出ています。飲み終わった後も、粘り着くような甘味が残る飲料は、こうした甘味料が使われている可能性が高いといわれています。

飲料を選ぶ場合も、無添加や無糖、かつ食品添加物が少ないものがベターです。


スナック菓子

スナック菓子の多くには、「調味料(アミノ酸等)」の記述があります。

昆布のうま味成分であるL-グルタミン酸ナトリウムが、スナック菓子の調味料として使われているのをよく目にします。L-グルタミン酸ナトリウムは特に毒性は認められていませんが、あらゆるスナック菓子に含まれているため依存性が懸念されています。

つまり、うま味成分の入っていない食品を「物足りない」と感じしまう可能性があるわけです。

また、塩分が多いのもスナック菓子の特徴。食べ過ぎない用心が必要です。



キレイな色をしたお菓子達


食品添加物の影響を受けない食生活を送るために


プラスチックによる汚染問題が話題となる昨今ですが、食品添加物も物質によっては分解されることなく人体に蓄積されてしまう可能性があるのだそうです。(※5)


安全性に不安が残るものも有る食品添加物、その影響を受けない食生活を送るためにはどんなコツがあるのでしょうか。

いくつかのアイデアをご紹介します。



形や色がきれいすぎるものは避ける

ぱっと目に付くきれいな色や形、ついつい手を取りたくなります。

しかし自然界において不自然と思われる色や形は、避けるのが無難です。

多少ビジュアルに難があっても、食品添加物とは無縁の健康的な食材を選ぶ目を養いましょう。(※9)



旬のものを買う

食品添加物とは無縁のもの、それは新鮮な旬の食材です。

生産者から直接入手する食材は、安心して購入できるというメリットがあります。

また旬の食材は栄養価が高いことでも有名。(※10)

安全かつ長所も多い旬のものを、上手に食生活に取り入れましょう。



調理はシンプルに

便利な調味料が巷にあふれていますが、調理の際も食品添加物が少ない調味料を活用するようにしましょう。

醤油、酢、酒、ハーブなど、食品添加物の影響が少ない調味料はたくさんあります。

こうした調味料でシンプルに食材を味わうことで、本来の美味しさを堪能できるのも嬉しいもの。

食品添加物依存から脱却するためにも、シンブル・イズ・ザ・ベストを心がけてみてください。



自然の調味料ハーブたち


最後に


食品添加物には、保存や酸化を防ぐなどの有益な役割もあります。

しかし1500品目にも及ぶ食品添加物の多くは、安全性が懸念されるものも少なくありません。

特に複合的にこれらを摂取した場合の安全性については現在も未知数。健康のためには食品添加物の過剰摂取を避けるのがなによりも大切です。


食品添加物については、試験や研究も発展途上にあります。

毎日のニュースにも注目し、毒性や発がん性が認められた食品添加物を含む食品を買わない習慣を身につけることも大事です。


自然の法則に従い旬の恵みを選び、食材本来の味を楽しみながら、より健康的な食生活を営んでいきましょう。


食品添加物は私たちの食を豊かにするために生まれてきたものですが、美味しく感じる味を添加したり、あざやかな色を着色したりする添加物もあります。昨今ではアレルギーや皮膚疾患、慢性疲労、肥満などの体調不良、うつなどのメンタルヘルスの低下などが食品添加物が原因とされる報告もあります。

食品添加物エキスパート講座では、食品添加物を正しく理解し、「自分で選択できる」知識を学ぶ事が出来ます。




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G-veggieはGrain(穀物)とVeggie(野菜)を合わせた造語で、人間にとって大切な2つの食べ物を、料理の中心にして自然に寄りそった生活をしていきたいという意味を込めました。

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<参照元>


※2.平凡社世界大百科事典「食品添加物」



※4.小学館日本大百科全書「食品添加物」


※5.渡辺雄二著「加工食品の危険度調べました」2012年,三才ブックス刊


※6.旺文社化学事典「亜硝酸ナトリウム」


※7.小学館日本大百科全書「ニトロソアミン」


※8.小学館大辞泉「アセスルファム・カリウム」







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