top of page

お寿司も保存食?保存の知恵が育ててきた日本の和食

更新日:2023年10月5日




私たちは、太古の昔から食材を保存する工夫をしてきました。


なまものを保存できなかった時代は地元で消費するしか方法はなく、また寒い季節や地域によって農作物や魚、肉などが手に入らない季節を乗り越えるためにも、人類は食べ物を保存する知恵を生み出し、それを活かしてきました。


今回は、日本で生まれた様々な保存方法や保存食を紹介します。

食材を適した方法で保存すれば、長持ちさせることが出来ます。 また正しい保存方法であれば衛生管理にも役立ちますので、ぜひ参考にして下さい。


【目次】




保存食とは


保存食とは、長期間にわたる貯蔵を目的として腐敗を抑制する加工や処理をした食品のことです。


昔の保存食は、季節ごとに収穫される食材をなるべく長く食べつないで、食材が少なくなる冬に向けて備えるため、またより遠くに運ぶために作られました。


保存技術が進化した現代では、肉や魚の缶詰、レトルトの惣菜やカレー、乾麺など、長期間保存だけでなく、時短簡単に食べるため、災害時の非常食として備蓄するためなど、用途も広がりました。




乾燥(乾物)による保存

乾燥には、

  • 野菜や魚など、長く保存するための乾燥

  • 高野豆腐や干し柿など、加工食品にするための乾燥

があります。


干ししいたけ、乾燥昆布、干し野菜、ドライフルーツ、魚介類(ひもの、煮干し、干し貝柱)など、乾燥の方法としては自然の太陽熱や風力、機械による人工的な乾燥もありますが、やはり「天日干し」で乾燥させたものが一番美味しいのではないでしょうか?


食品を干すと水分がなくなって食品の成分が凝縮されるので、旨味が増すだけでなく栄養価も高くなります。


運搬方法が少なかった時代には、水分を抜く事で食品が軽くなるので運搬も楽になりました。




発酵による保存食


カビ、乳酸菌、酢酸菌、酵母など、微生物による発酵技術により、様々な発酵食品が作られてきました。


発酵は食品の保存性を高めるだけでなく、酸味やアルコール、旨味などが作られるのでそれ独特の美味しい食品となります。 日本人が古くから食している調味料、味噌、醤油、酢も発酵による保存食で、他にも納豆、漬物、チーズ、酒などがあります。




加工による保存


食材を保存食として加工する方法には、「塩蔵」「糖蔵」「燻煙」などがあります。


塩蔵


塩蔵の歴史は古く、奈良時代の天平(てんぴょう)年間(729~949年)の木簡(もっかん)に「ウリの塩漬け」について記術があることから、日本で野菜の栽培が始まってまもなく行われるようになったと考えられています。


また、江戸時代に出版された「四季漬物塩嘉言(しきつけものしおかげん)」に、たくあん、千枚漬け、麹漬けなど64種類の漬物について記述があることから、漬物が広く普及していたことがわかります。


塩蔵は塩を使った保存方法で、梅干や漬物をはじめ、塩蔵ワカメ、イクラの塩漬け、塩辛、新巻鮭のように内臓をとったサケを塩漬けにする保存食もあります。



糖蔵

糖蔵は、食品に砂糖を加えて保存性を高める保存方法で、ジャムなどがそれにあたります。



酢漬け

酢漬けは、野菜や魚を酢に漬ける保存方法で、ピクルス、しめ鯖、魚のマリネなどがあります。



燻製

燻製は、塩漬けした肉や魚に木材などを燃やした煙をかけて特有の風味と保存性を高める保存方法で、魚の燻製、ビーフジャーキー、ハム、サラミなどがあります。




寒さや雪による保存食


冬の寒さが厳しく雪の多い地域は、その寒さや雪を活かした保存食が作られます。


寒天は天草を洗って煮出して固めたもの(ところてん)を、「夜の寒さで凍らす-昼間の太陽で溶かす」を何度も繰り返して作ったものです。


高野豆腐は凍み豆腐とも呼ばれ、豆腐を凍結・低温熟成させた後に乾燥させた保存食品です。




漬物


季節の変化が大きい日本では、寒い地域を中心に「塩蔵」「糖蔵」「酢漬け」など、色々な加工法が組み合わさった漬物が発達してきました。


漬物は長い冬を食べつなぐ大事な保存食としてだけではなく、四季折々に収穫される食材を美味しく食べるための調理法でもあるのです。 


漬物の種類は豊富で、塩漬け、ぬか漬け、干し漬け、味噌漬け、粕漬け、奈良漬などがあり、色々な味つけをした漬物が郷土料理のひとつとして受け継がれています。