より健康的な生活を表す言葉のひとつに「オーガニック」があります。
近年、よく耳にするようになったオーガニック、その意味するところを理解してオーガニック料理を楽しんでいる人も多いかもしれません。
一方で、オーガニックの意味が判然とせず、イメージだけを抱いている方も少なくないはず。
オーガニック料理とはどのようなものなのでしょうか。
その数々のメリットも含めて、オーガニック料理についてご紹介します。
そもそもオーガニックってなに?
まずは、巷にあふれている「オーガニック」の定義について見ていきましょう。
百科事典を参考にすると、オーガニックとは「有機農産物またはその加工品」を指すとあります。(※1)
それでは「有機農産物」とはなんでしょうか。
農林水産省による定義を参考にしてみましょう。(※2)
農林水産省によると有機農産物とは
化学的な肥料や農薬を使用しない
遺伝子組み換え技術を用いない
環境への負荷を考慮し、できるだけそれを軽減する
以上を条件に生産された農作物を指します。
つまり、自然の生態を重んじた農法を用いることでできる作物ということです。
近年、有機(オーガニック)農法は世界中で関心が高まり、各国が「オーガニック」と名乗るための基準を設けています。
日本でも1999年に施行されたJAS法により、基準ををクリアした商品には「有機JASマーク」の貼付が許可されています。(※3)
2000年にこの法律は改正され、さらに厳しい基準が設けられました。
オーガニック料理とは?
オーガニックの定義が明確になったところで、次はオーガニック料理について説明いたします。
オーガニック料理とはもちろん、ご紹介したようにオーガニック食材を使って作る料理のことです。
それだけではありません。
世界中が目標としている持続可能性(SDGs)を意識した調理法やリサイクル方法を用いたり、栄養価が高く価格にもメリットがある旬の食材を使うこともオーガニック料理の要素です。
オーガニック料理とは決して手の込んだ料理を作ることではありません。
健全な食材を使い、よりヘルシーに、またごくシンプルに、地球や自然生態系に即した料理を作ることを意味するのです。
その意味においては、食べる人の健康だけではなく、地球環境や将来も考慮した料理といってもよいでしょう。
オーガニック料理における数々のメリット
オーガニック料理には、さまざまなメリットがあります。
メリットを知って、ぜひ今日からでもオーガニック料理を始めてみましょう!
1. 安全な食であること
現在日本で販売されている食品は、なんと60%以上に食品添加物が含まれているといわれています。(※3)
保存料をはじめとする食品添加物は、食材の保存や加工のために必要なものです。しかし一方で、不特定多数の人々が無意識のうちに長年に渡って摂取する食品添加物の安全性には大いに注意が必要なのです。
食品添加物には発がん性が認められたものもあり、厚生労働省では安全のための基準量を設けています。(※3・4)
いずれにしても、日々食品添加物を含む食材を口にしていれば、体内でさまざまな成分が蓄積されていきます。生活習慣病を含む多くの病気の原因になる可能性もあるわけです。
オーガニック料理ならば、こうした懸念は無縁です。
飽食の時代の今だからこそ、食の安全に留意し、自分や家族の健康を守る必要があるのです。
2. 素材の味を実感できる
オーガニック料理は、時短につながるような便利な調味料を使用しません。
市販の調味料は種類が多く、多忙な現代人にとってはありがたいアイテムであることは否定できません。しかしこれらの調味料は、含有塩分量が非常に多いのです。
厚生労働省では、女性が1日に摂取する塩分量は6.5g以下が望ましいとしています。(※5)
市販の調味料は味がしっかりとついているため、これらを多用することで塩分の摂りすぎにつながります。(※6)調味料だけではなく、加工品も同様です。
こうした調味料や加工品とおさらばして、オーガニック料理にトライしてみてください。
市販の調味料に慣れた舌には、最初は物足りなく感じることもあるかもしれません。
しかし、余分な味付けを排除したオーガニック料理からは、素材が持つ自然の滋味を実感できるようになります。
本来の食材が持つ豊かな味わいこそ、オーガニック料理の真髄。
食生活そのものが豊かになっていくことでしょう。
3. 食と環境の関係を意識する
私たちは豊かな食に囲まれて生活しています。
しかし地球規模で見ると、人口の増加に伴って将来的には食不足が深刻になるといわれているのです。(※7)
農薬などの使用による農作業では、増加する人口のお腹を満たすことが出来なくなる懸念があり、遺伝子組み換え食品なども普通に販売される時代になりました。(※7)
飢餓で苦しむ人々がいる半面、豊かな国々では食品ロスが社会問題になっています。
日本でも、1人当たり年間41kg程度の食糧を廃棄していると言われています。(※8)
さらには、豊かな国々の食の欲求を満たすために行われる大規模な農業や畜産は、地球に大きな負荷を与えています。(※9)
近年の急激な気候の変化も、私たちの食の嗜好や欲求が少なからず関係している可能性が高いのです。
オーガニック料理を知ることで、食と環境の関係をもう一度見直す機会になるかもしれません。なぜならば、農薬や化学肥料を使わない有機農法は大変な手間がかかるのです。
大事に栽培された食材を感謝しつついただく。
こうした基本の理念を実践し、現代人として健全な食生活を営むきっかけとなることでしょう。
オーガニック料理にデメリットはある?
食生活の基軸としたいオーガニック料理ですが、デメリットもあります。
デメリットも熟知することで、より上手にオーガニック料理を実践できるかもしれません。
オーガニック料理のデメリットとははたしてどのようなものでしょうか?
1. 価格が高い!
オーガニック料理は良いことずくめなのになかなか普及しない要因、それが価格にあります。
そもそも化学肥料の使用や遺伝子組み換えは、安価に大量の食材を生産することを目的に開発されたものです。そうした流れに逆らって、自然に忠実な農法を守ることは大変な手間とコストがかかってくるのです。
農薬が使えない農法では、害虫や病気にかかる確率も高くなります。
農業を生業としている人にとっては、有機農業はかなり大きな賭けにもなるわけです。
賢い消費者としてこうした事情を理解し、価格が高い有機食材も大事に感謝しながらいただく姿勢が重要なのではないでしょうか。
2. 見た目がイマイチ
手間をかけて丁寧に栽培するオーガニック食材ですが、農薬や化学肥料を使用しないために、商品の中には虫食いの野菜があることは珍しくありません。
形も大きさも均一に整った野菜や果物を見慣れた私たちにとっては、有機農法によるオーガニック食材が不揃いであったり、色もまちまちであったりすることにびっくりするかもしれません。
しかしそれもまた自然のありかたのひとつ。
生態系の一環として受け入れ、ユーモラスな形や色も上手に料理に組み入れてみましょう。
唯一無二の形状と味を持つ食材への愛着がさらに高まること、うけあいです!
オーガニック料理を作るためのコツ
オーガニックな食材を選んだら、次は料理法です。
オーガニック料理を作るにはどんなコツがあるのでしょうか?
調理はシンプル・イズ・ザ・ベスト!
素材の味わいがしっかりとしているオーガニック食材の調理は、シンプルが基本。
「蒸す」「煮る」などの調理法で、味付けは最低限にとどめることをおすすめします。
たとえば和風にするのならば塩、しょうゆ、酒、味噌などを、洋風ならばオリーブオイルやハーブなどを活用してみましょう。
コテコテとした市販の調味料を使わないオーガニック料理、素材の味だけではなく色も際立って、幸福感を満喫できる一皿になります。
オーガニックな食材、入手方法は?
通常の食材よりもお高いイメージがあるオーガニック食材。
有機農法による野菜や果物は、工夫によって上手に入手することが可能です。
いくつかのアイデアを紹介します。
地産地消!ファーマーズマーケットを活用
オーガニック料理における最大のごちそう、それは鮮度が高い食材です。
地元で開催されるファーマーズマーケットに足を運んでみましょう。
生産者さんが直接販売する農作物は、鮮度抜群。
生産者さんからその年の味の特徴や、それに見合った料理法などを聞くこともできるかもしれません。
スーパーで買い物することで麻痺していた旬の意識も、ファーマーズマーケットに通うことでよみがえってきます。
最も栄養価が高く美味しい旬の食材、ぜひファーマーズマーケットで手に入れましょう。
オーガニック専門店で調達
オーガニック料理への関心の高まりにつれ、近年はオーガニック食材専門店が増えました。
オーガニック専門店には生鮮食品だけではなく、オーガニック認証を得た調味料や嗜好品もたくさん揃っています。通常のお店でオーガニック商品の見極めが難しいと思ったら、専門店に赴いてみましょう。
とことんオーガニック料理にこだわりたい場合には、専門店の存在は貴重です。
地元にオーガニック専門店がない場合には、オンラインで賢くお買い物をしましょう。
自家栽培する
オーガニック食材調達の最も確かな方法、それは自家栽培です。
自身で工夫をして農薬に頼らない野菜を作ることは、普段は想像もできない生産者さんの苦労を体感することにもつながります。
自宅に庭がないという人も、ミニトマトやハーブ類など、育てやすい野菜や植物は意外と多いのです。オーガニック料理に欠かせないハーブも、自家製ならばその香りはより濃厚です。
ちょっとくらい形が整っていなくてもご愛敬。大事に育てた食材を美味しく食べてみてください。
オーガニック料理が食べられるお店
自宅で作るオーガニック料理は格別ですが、ぜひプロの手によるオーガニック料理も楽しみたいもの。
東京で堪能できる美味しいオーガニック料理のお店をご紹介します。
BIOcafe
日本発のオーガニックカフェ&レストランといわれているBIOcafe。
完全無農薬の食材を使った料理の数々、ビジュアルのなかにも清々しさが漂います。
お食事だけではなく飲み物も多彩なメニュー。食べてキレイになるという同店のコンセプトが素敵なお食事で実践できます。
店名:BIOcafe
住所:東京都渋谷区宇田川町16-14 パティオI 1F
TEL:03-5428-3322
ベジホリック代官山
オーガニック野菜を使ったエスニック料理を食べたくなったらベジホリック代官山へ。
庶民的な雰囲気の中で、インパクトがある料理の数々に舌鼓を打つことになります。
オーガニック料理が決して単調なものではないことを、ベジホリックで体感してみてください。
店名:ベジホリック代官山
住所:東京都渋谷区代官山町19-1 白磁館2F
TEL:03-6427-0591
Deux Anges á table(ドゥアンジュアターブル)
オーガニック・マクロビ料理教室G-veggieの生徒さんが経営している港区青山1丁目にある一日一組限定の紹介制レストラン。約9品のコースの主役は日光「駒場農場」で栽培された自然農法の野菜。料理はクラシックなフレンチをベースにしたものが中心で、和食よりの料理も登場します。
店名:Deux Anges á table(ドゥアンジュアターブル)
住所:東京都港区南青山2-7-3 AOYAMA273ビル 2F
TEL:080-9458-1335
Hidamariカフェ
オーガニック・マクロビ料理教室G-veggieの卒業生さんが経営する大田区蒲田にあるオーガニック・カフェ。有機野菜を中心として使ったランチは大人気で11:30のオープンと同時に満席になってしまう大人気のカフェです。電話予約をしておけば、もちもちのオーガニック玄米ごはん定食をお弁当にしてお持ち帰りもできます。
店名:Hidamariカフェ
住所:東京都大田区蒲田4-31-1蒲田コーポ2
TEL:03-6715-7711
自然食カフェ ラレンターレ
オーガニック・マクロビ料理教室G-veggieの卒業生さんが経営する横浜駅近くにある自然食カフェ。横浜の地産地消として横浜で作られた野菜、玄米で作るお料理は、イタリアンテイストなところが人気です。お料理とスイーツは動物性食品を使わないオーガニックなヴィーガン料理。電話予約をしておけば、お弁当のお持ち帰りもできます。
店名:自然食カフェ ラレンターレ
住所:神奈川県横浜市神奈川区台町18-10 1F
TEL:045-312-5533
最後に
オーガニック料理は、手間をかけて作る料理ではありません。
素材の質や作られた工程にこだわり、その味わいを生かすシンプルな料理です。
化学肥料や添加物を排除したこれらの料理は、自然が持つパワーをまるごと吸収できるような清々しさがあります。心身にエネルギーを補給してくれる要素がある、ともいえるかもしれません。
ただ健康的で美味しいというだけではなく、環境や将来を見据えた料理法として、オーガニック料理は今後ますます注目されていくことでしょう。
オーガニック・マクロビ料理教室G-veggie
G-veggieはGrain(穀物)とVeggie(野菜)を合わせた造語で、人間にとって大切な2つの食べ物を、料理の中心にして自然に寄りそった生活をしていきたいという意味を込めました。
自然の生命エネルギーあふれる「オーガニック食材」と、日本の伝統的な健康食の集大成である「マクロビオティック」は、身体だけでなく心も健康になれる料理法です。
バランスの良いオーガニック・マクロビ料理を実践して、美味しく食べて身体の中から健康でキレイになりましょう。
〒144-0031 東京都大田区東蒲田2-5-11
Tel : 03-6715-8772 / fax : 03-6733-8760
Mail:info@g-veggie.com
<引用元>
※1.小学館日本大百科全書「オーガニック」
※3.平凡社世界大百科事典「食品添加物」
<参照元>
https://tabelog.com/tokyo/rstLst/ZZ9903/
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