ヴィーガンミルクにはどんな種類がある?メリットとデメリットも含めた特徴を知ろう

ミルクといえば牛乳という時代は、終わりを告げようとしています。
スーパーに行くと、いわゆる植物性のミルクを多数目にするようになりました。
ヴィーガンミルクとも呼ばれるこれらのミルクには、どんな種類があるのでしょうか?
牛乳との相違や、メリット・デメリットも気になるところです。
今日はヴィーガンミルクの種類や特徴について、詳しく解説します。
そもそもヴィーガンミルクってなに?
まずは、ヴィーガンミルクの定義から見ていきましょう。
ヴィーガンミルクとは、完全に植物性由来のミルクを指します。そのため、植物性ミルクという名称で呼ばれることもあります。
つまり、動物性の食品を厳格に避けるヴィーガンの人も安心して飲めるミルク、それがヴィーガンミルクというわけです。(※1)
ヴィーガンミルクが急速に普及しているのは、ヴィーガン以外の人たちの間でもこの種のミルクの需要が高まっているためです。
ヴィーガンミルクの原料は、木の実や豆類。
種類が多いヴィーガンミルクの味が好みという人もいれば、健康上の理由でヴィーガンミルクを選ぶ人もいます。
なぜヴィーガンミルクが注目されているの?
なぜヴィーガンミルクが注目され、その需要が急増しているのでしょうか。
それには明確な理由があります。
その理由を見ていきましょう。
① 牛乳アレルギーの増加
厚生労働省によれば、ここ50年でなんらかのアレルギー症状を持つ人は急激に増え、日本人の3人に1人はアレルギーを持っていると報告されています。
特に卵と牛乳のアレルギーを持つ子供の数は突出しています。3歳児ならばアレルギー症状を持つ子どものうち、全体の60%以上が卵と牛乳によるアレルギーで占められているのです。(※2)
成長とともに減少するといわれているアレルギーですが、大人になってから突然発症する人も少なくありません。(※2)現代人の食生活は、添加物等の多用で大きく変わりつつあるためです。
牛乳アレルギーの人口が増えたことが、ヴィーガンミルクの需要の増加に拍車をかけたというわけです。
② 健康意識の高まり
多様性が注目される近年、食生活もさまざまな選択肢が生まれました。
ただお腹を満たすだけではなく、できるだけ健康的なものを摂取して長寿社会に備えたいという若い世代も増えています。
牛乳は日本の給食に必須の食材とされてきましたが、牛乳が持つ脂質やカロリーを忌避したいという流れも生まれました。ヴィーガンミルクは一般的に、脂質やカロリーは低めで、なおかつ植物性の食材に含まれる栄養分も特筆すべきものがあります。
そうした風潮をベースに、ヴィーガンミルクが注目される時代になったのです。

③ 環境問題への憂慮
ヴィーガンとは、自分の健康だけにこだわるにとどまりません。
ここ数年、ニュースでも取り上げられることが多い環境問題も、ヴィーガンミルクが普及する要因のひとつとなっています。
環境問題をひとつ取り上げてみましょう。
牛乳を生産するための牛の飼育は、1頭当たり数万リットルの水を要するとされています。(※3)畜産業は、地球の環境に大きな負担をかけることが研究でも明らかになっているのです。
一方ヴィーガンミルクの生産は、地球環境への負荷が少ないのが特徴です。
ヴィーガンであることは意識しなくても、こうした環境問題を考慮し、牛乳ではなくヴィーガンミルクを選択する人が増えつつあります。
特にコロナ禍あとは、健康や環境に心を配る人が増え、ヴィーガンミルクの注目度も上昇しているのです。
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ヴィーガンミルクの種類と特徴
ヴィーガンミルクのよいところ。それは選択肢がとても多い点です。
好みの味、栄養価、あるいは使い道に合わせて、ヴィーガンミルクを選んでみましょう。
それぞれの特徴とともにご紹介いたします。
・豆乳

日本でもよく知られているヴィーガンミルク、それが豆乳です。豆乳は、水に浸けて柔らかくした大豆をすりつぶして濾したものです。
普通牛乳100g当たりのカロリーが61kcalなのに対し、豆乳のカロリーは44kcal。(※4・※5)
また豆乳には、良質なたんぱく質やビタミンB1が含まれています。
スーパーだけではなく、コンビニでも気軽に入手できるのが嬉しいですね。
豆乳は飲むだけではなく、料理として使うレシピも増えました。牛乳の代用としてだけではなく、体によい食材のひとつとして使ってみましょう。
・アーモンドミルク

西洋では広く普及しているヴィーガンミルクのひとつ、それがアーモンドミルクです。日本でも少しずつその存在が知られるようになってきました。
無糖のアーモンドミルクは、カロリーが20kcal弱。糖質は牛乳の10分の1で、コレステロールはゼロです。
さらに、アーモンドにはサプリメントも顔負けの栄養が含まれていて、抗酸化作用のあるビタミンEをはじめ、多種のミネラルに恵まれています。
ヴィーガンミルクとしては優等生といえるのが、アーモンドミルクなのです。
・オーツミルク

オーツミルクは、日本語では燕麦とよばれる穀物を原料に作られるミルクです。
オートミールの原料でもあるオーツ麦は、グルテンフリーであることに加え、食物繊維のひとつであるβグルカンを豊富に含む食材として大注目されています。βグルカンは、悪玉コレステロールの数値を低下させる効果が認められており、生活習慣病予防が期待できるためです。(※7)
そのオーツ麦を使ったオーツミルク、牛乳と比べると糖質はわずかに高めですが、牛乳には含まれない食物繊維が豊富なうえ、カルシウムの量は牛乳を上回ります。
100g当たりのカロリーは40kcalほど。(※8)
健康への寄与が期待できるヴィーガンミルク、というわけです。
・ココナッツミルク

東南アジアでよく使用される食材ココナッツ。ココナッツミルクは、白い胚乳を絞って作られています。コクのある美味しさが特徴のココナッツミルクは、調味料などに使われてきました。
飲料としてのココナッツミルクは、牛乳と比較するとカロリーは少し高め。
でもそれを補って余りあるメリットがたくさんあるのです。
まずココナッツミルクは糖質が少ないため、糖分の摂取を控えたい方にはおススメ。(※9)
またココナッツミルクは、母乳にも含まれる中鎖脂肪酸を内包しています。中鎖脂肪酸は脂肪の蓄積を抑えたり、糖尿病の予防になる要素も含んでいます。(※10)
ミネラル類も豊富ですから、上手に食生活に取り入れると力強い味方になってくれます。
・ライスミルク

ライスミルクは文字通り、玄米や白米を粉砕して水を加え、ミルク状にしたものです。
お米が主食の日本人にとって、ライスミルクと聞くととぎ汁をイメージしてしまい、かえって敬遠する理由になっているかもしれません。
しかし欧米ではライスミルクの普及度は高く、その効果も評価されています。
ライスミルク100gのカロリーは45kcal前後、牛乳よりも味わいがさっぱりと軽めであるのが魅力的です。(※11)
また使用されるお米類がオリゴ糖として分解されるため、まろやかな自然な甘さがあり、腸内環境の改善も期待できます。(※12)
玄米を多めに使ったライスミルクならば、ミネラルやビタミンも豊富。
お米を主食にする日本だからこそ、より美味しいライスミルクの開発が進んでいるのも事実です。これを機会に、ぜひ一度ライスミルクにトライしてみてください。
ご紹介したヴィーガンミルクは、比較的よく知られた種類です。
このほかにも、ヘーゼルナッツやピスタチオを原料としたミルクもあり、選択肢はたくさんあります。
木の実や豆類は、地中海式食餌法のベースとなっていて、長寿や健康に大きな役割を果たすとされています。(※13)
牛乳の代用としてだけではなく、積極的にヴィーガンミルクを取り入れることで、よりヘルシーな食生活への第一歩を踏み出しましょう。
ヴィーガンミルクの選び方
ご紹介したように、ヴィーガンミルクは種類がたくさんあります。
それでは、スーパーやコンビニで販売されているヴィーガンミルクならば、どれを購入しても上記のような効能が期待できるのでしょうか?
ヴィーガンミルクを買うときには、注意することがいくつかあります。
以下の点に留意して、ヴィーガンミルクを選んでみてください。
1. 糖分に気をつける
ヴィーガンミルクは栄養面で見るべきものがあるもの、注意すべき点があります。
それが糖分の量です。
たとえば日本はメジャーなヴィーガンミルク、豆乳を見てみましょう。
豆乳には「豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」の3種があります。
調整豆乳と豆乳飲料は、かなりの糖分が含まれています。とくに豆乳飲料は、豆乳が含まれているというだけで、甘い飲み物であるケースがほとんど。
ヴィーガンミルクを購入する場合には、含まれている糖分の量をチェックし、購入するようにしましょう。
2. 添加物が少ないものを選ぶ
ヴィガーンミルクは、ミルクに近い食感を出すために乳化剤として添加物が含まれているものも少なくありません。
原材料の部分を読んで、なるべく添加物が含まれていない商品を選びましょう。
3. 品質の良いものを選ぶ
物価高が話題になっている近年ですが、口に入るものは高品質であるに越したことはありません。
ヴィーガンミルクに関しても同様です。
ヴィーガンミルクの価格もピンからキリまでありますが、できればオーガニックなどの品質の良いものを選びましょう。ミルク本来の栄養は、品質の良い商品を選ぶことでより多く摂取できます。

ヴィーガンミルクのメリットとは
ヴィーガンミルクは、よい商品を選び継続的に摂取することで、栄養面におけるさまざまな効果が期待できます。
そのメリットをまとめてみましょう。
牛乳アレルギーの人も飲むことができる
種類によっては牛乳よりもカロリーが低い
脂肪分が少ないものが多い
牛乳には含まれない栄養を多く有している
環境に負荷を与えずに生産できる
自分の健康状態や料理法に応じて、ヴィーガンミルクを選ぶことができます。
ヴィーガンミルクのデメリットとは
どんなものにもデメリットがあるのが世の常。
ヴィーガンミルクにはどんなデメリットがあるのか、こちらもしっかり覚えておきましょう。
糖分や添加物が含まれているものが多い
豆乳は大豆アレルギーの人は飲用できない
値段が比較的高めである
牛乳のようなコクや風味がないため味気なさを感じる
飲み慣れない間は、ヴィーガンミルクの味わいを「美味しい」と感じることは難しいかもしれません。
しかしヴィーガンミルクの需要が増えるにつれ、自宅でヴィーガンミルクを作るツールなども販売され始めています。
ヴィーガンミルクの味と質の向上、需要の高まりを考えると今後も大いに期待できそうです。
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まとめ
ヴィーガンミルクは、植物性のミルクです。木の実や豆類を原料に生産されているため、牛乳とは異なる特徴を持っています。
一般的にヴィーガンミルクはカロリーが低めで、栄養価が高め。牛乳にアレルギーがある人も飲めるため、アレルギー人口の増えたここ数年はスーパーなどでもヴィーガンミルクを目にすることが多くなりました。
栄養面でのメリットに加え、サステナブルという点でもヴィーガンミルクは利点があります。環境への影響が少ない食材として、ヴィーガン以外の人もヴィーガンミルクを選択するケースが増えています。
ヴィーガンミルクを買うときは糖分や添加物に注意して、その栄養を上手に食生活に取り入れてみてください。
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G-veggieはGrain(穀物)とVeggie(野菜)を合わせた造語で、人間にとって大切な2つの食べ物を、料理の中心にして自然に寄りそった生活をしていきたいという意味を込めました。
自然の生命エネルギーあふれる「オーガニック食材」と、日本の伝統的な健康食の集大成である「マクロビオティック」は、身体だけでなく心も健康になれる料理法です。
バランスの良いオーガニック・マクロビ料理を実践して、美味しく食べて身体の中から健康でキレイになりましょう。
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Mail:info@g-veggie.com
<引用元>
※1.小学館日本大百科全書「ビーガン」
※3.ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社「ヴィーガンが環境保全になる理由|畜産業による環境負荷とは」
※4.文部科学省「食品成分データベース(乳類/<牛乳及び乳製品>/(液状乳類)/普通牛乳)」
※5.文部科学省「食品成分データベース(豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳)」
※7.おいしい大麦研究所「オートミールの原料であるオーツ麦。その健康効果とは?」
※8.Spaceship Earth「オーツミルクとは?期待できる効果と栄養素、牛乳との違い・お腹を壊しやすい理由」
※9.まごころケア食「ココナッツミルクの栄養|植物性のミルク」
※11.Spaceship Earth「ライスミルクとは?効果と栄養・甘酒との味の違い、簡単な作り方」
※12.COSMOPOLITAN「第3のミルク!「ライスミルク」の基礎知識とおすすめブランド」
参照元
https://vcook.jp/articles/plantmilk
https://vegans-life.jp/article/2658
https://myethicalchoice.com/journal/sustainable/plant-milk/
https://www.ain-soph.jp/post/vegan-health-3#viewer-3tfp7
https://www.scentoflifediscovery.com/vege-milk-benefit-drawback/
https://susterra.net/plant-milk/
https://eleminist.com/article/2088